
金属製おろし金を使い続けて思ったこと。このまま食卓に出せるといいのに...。
しかもおろし金は、食材をすったときに汁がこぼれるから、器に移し替えなければなりません。
最近は「受け皿付おろし金」もありますが、これだ!というものにはまだ出会っていません。
そんなときに山只華陶苑の8代目、加藤智也さんのおろし皿を発見...。
シンプルで美しくて、ため息が出ます。

おろし皿は加藤智也さんの2代前、おじいさんの代から造っています。
戦中、金属類がすべて没収され、家庭におろし金が消えたときに、陶器製おろし皿の製作を頼まれたそう。
歴史を感じます。
おじいさんから2代目、3代目と引き継がれ、デザインも少しずつ変わっていき、現在の形となりました。

おろし皿の歯は、手でひとつひとつ突起を造っていきます。
作り方は金属のおろし歯と同じ技法なんだそうです。
あまりにも大変な手作業で、加藤さんも一度は根を上げました。
それで試しに「型」に入れる方法で造ってみたところ、すった食材の味が全然違ったそうです。
加藤さんは、迷わず「型」ではなく「手」を選択しました。
手で製作しているから、線もまっすぐじゃないし、おろし歯もよい意味で揃っていない。
そこがまた胸キューンとなるところです。

こちらはアメ色(Sサイズ)。
横から見てもかわいさの中に凛とした姿を見ることができます。
こんなに小さいのに(豆皿サイズ)片口まで付いてる!

こちらは藁灰(S)。
白に見えますが「藁灰」と呼ばれる色。釉薬の配合を変えているので、すり鉢より白っぽくなります。
ところどころ、うっすら青緑色がかっていて、その微妙さがまた美しい。

サイズは2種。SとMです。

Sサイズは直径8cm(外寸)。豆皿ぐらいの大きさ。
手のひらにすっぽり入ります。
生姜、にんにく1〜2個ぐらいすれるでしょうか。

Mサイズはちょうど手のひらぐらいの大きさです。
直径は12cm(外寸)。小皿ぐらいのサイズでしょうか。
生姜、にんにくだったら5、6個はすれると思いいます。
春夏秋冬、薬味おろしが欠かせませんから、こんな道具が台所にあるだけで、仕事がはかどり、楽しくなりますね。