本物のドライフルーツを日本にも ーー ドライフルーツに魅せられた、とある女性の物語

おいしくて、健康に良い。そして様々な料理に合わせられることから、近年、女性を中心に人気を博している「ドライフルーツ」。スーパーの売り場などで目にする機会が多くなってきた。そんな日本で販売されている「ドライフルーツ」に対し異を唱える人がいる。それが今回話を伺った山下英子さんだ。砂糖を使用したドライフルーツが多数を占める中、なぜ山下さんは天日干しで砂糖不使用の「フレッシュドライフルーツ」を日本で展開しようと思ったのか。彼女のルーツから、その思いを紐解いていく。

by BASE Mag. 公式

本物のドライフルーツを日本にも ーー ドライフルーツに魅せられた、とある女性の物語

編集日時: 2016/09/08 15:33
おいしくて、健康に良い。そして様々な料理に合わせられることから、近年、女性を中心に人気を博している「ドライフルーツ」。スーパーの売り場などで目にする機会が多くなってきた。そんな日本で販売されている「ドライフルーツ」に対し異を唱える人がいる。それが今回話を伺った山下英子さんだ。

彼女は40歳半ばを過ぎてから株式会社イーワイトレーディングを興し、日本では珍しい天日干しで砂糖不使用の「フレッシュドライフルーツ」の輸入販売を行っている。

砂糖を使用したドライフルーツが多数を占める中、なぜ山下さんは天日干しで砂糖不使用の「フレッシュドライフルーツ」を日本で展開しようと思ったのか。彼女のルーツから、その思いを紐解いていく。

子供の頃に食べた「フレッシュドライフルーツ」の味が忘れられなかった



イーワイトレーディングが輸入販売している「フレッシュドライフルーツ」はカリフォルニアのスースンバレー(Suisun Valley)にある農園で作られたもの。なぜ、山下さんは日本でドライフルーツを作って販売する道を選択せず、輸入販売のみに事業を集中させているのか。それは小さい頃の経験と環境が起因している。

山下さんには、アメリカに移住した親戚がいる。その人は長田孝氏で、山下さんの祖母の義兄にあたる。長田氏は明治時代の終わり、わずか15歳で「アメリカで一旗揚げる!」という思いのもと単身で渡米。苦労に苦労を重ね、スースンバレーで果樹園の経営に成功した長田氏は晩年2年に1度の帰国時、決まってスースンバレー産のドライフルーツをお土産にしたという。

そのドライフルーツを小さい頃から食べていた山下さん。食べれば食べるほど、ドライフルーツは大好物になっていったという。

「当時、日本でドライフルーツといえば、かさかさの"干しぶどう"しかありませんでした。その頃から、カリフォルニアの砂糖が使われていないドライフルーツをずっと食べていたので、他の人たちが砂糖漬けにされたドライフルーツを食べていることが信じられなかったんです」(山下さん)

ドライフルーツは日本でも作られていないわけではないが、カリフォルニアに比べ、日本は湿気が多いので天日干しのドライフルーツを作るのに相応しい環境ではない。そのため、国産ドライフルーツのほとんどは機械で高温乾燥し、砂糖が添加されたものとなっているのだ。

砂糖の過剰摂取が体に悪影響を及ぼすのは言わずもがな。カリフォルニアのドライフルーツしか食べてこなかった山下さんにとって、日本のドライフルーツは舌にあわない。親戚に「ずっと食べてきたドライフルーツはどこで売っているの?」と聞いてみたところ、返ってきた答えは「スースンバレーに行かないと買えない」というもの。

山下さんは40歳を過ぎてからアメリカへ留学。そこでスースンバレーを訪れてそのドライフルーツが日本には輸出されていないことを知った。

友人たちの「おいしい」という反応を見て、ビジネスの立ち上げを決意



「スースンバレーを訪れた時、ずっと食べてきたパッケージのドライフルーツが売られているのを見て、すごくうれしくなりましたね。あっ、あの味のドライフルーツがあるって。それで、そのドライフルーツを買って日本に持ち帰ってきたんです。」(山下さん)

現地で買ったドライフルーツを日本の友人に配ってみたところ「これおいしいね!」「こんなにおいしいドライフルーツ食べたことない!」といった声が多くあがったという。それを見て、山下さんは留学が終わって日本へ返ってきたタイミングでフレッシュドライフルーツの輸入販売を行うことを決めたそうだ。

「友人から『また食べたい』と言われても、ドライフルーツは重くてたくさん持って帰って来られない。なにより自分自身が砂糖なしのドライフルーツを食べたかったというのもあります。それならビジネスにしてしまえばいいんじゃないか。まずはそんな考えで輸入販売を始めました」(山下さん)

現在、販売されているドライフルーツを山下さんは”フレッシュドライフルーツ”と名付けているが、それは半生タイプのドライフルーツが国内に少なく、セミドライフルーツと呼ばれていたことに違和感を覚えたため思い切って”フレッシュドライフルーツ”にしたという。

何も分からないまま、立ち上げた輸入販売のビジネス。負けん気の強さだけで勝負していった



留学後、一念発起して立ち上げた輸入販売のビジネスだが、山下さんに輸入販売のビジネス経験はない。輸入貿易とは何か、食品をどう扱えばいいのか、そういったことすらも知らなかったが、当時のことを山下さんはこう振り返る。

「当時は本当に無知の状態だったな、と思います。とにかく何も知らなかった。でも、輸入販売のことを何も知らなかったからこそ、このビジネスをやってみようと思えたのかもしれません。いい意味でリスクのことを考えずに済みました。」(山下さん)

とはいえ、ビジネスはシビアな世界。強い思いだけではどうにもならない場面もある。実際、山下さんは最初の頃、農園の方に全く相手にされなかったという。それでも諦めないのが山下さんの強さ。

根気よくコンタクトを重ねていった結果、今では最上級のドライフルーツを分けてもらえるような関係に。こうした地道な活動の結果、最初は洋なし、ピーチのみの販売だけだったが、今ではネクタリン、モイヤープルーン、マンゴー、レーズンなどカリフォルニア以外のものも扱うようになり、種類は徐々に増えていっている。

会社の立ち上げから7年、卸販売から始まったフレッシュドライフルーツの輸入販売はパン屋さんやお菓子屋さんが材料として、またマルシェなどにも時々出店したり、ネットショップも開始するなど、少しずつ成長していっている。現在ではドライフルーツエヴァンジェリスト(伝道師)として「おいしいドライフルーツのある暮らし」講座のセミナー講師も頼まれるようになった。

「今後も女性の消費者目線を忘れずに選び抜いたおいしくて安心、安全なドライフルーツをご紹介していきたい」と意気込む山下さん。これから発売されるフレッシュドライフルーツも非常に楽しみだ。
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