関東VS関西、どちらがお好き?比べて楽しむ国産線香花火
日本で流通している線香花火の99%は外国産と言われています。一つ一つ手作りするしかない手間のかかる線香花火。現在日本で線香花火を作っているのは3社のみですが、やはり国産と外国産の違いは歴然。国産の線香花火の方が外国製のものより火花が大きく、火玉も長持ちするようです。
ジジジ…と音を立てながら火玉が大きくなっていく「蕾」と呼ばれる状態から、バッ、バチッ、と力強く火花が飛び出す「牡丹」、そして途切れることなく火花が鮮やかに咲く「松葉」になり、やがてジリジリと流れ落ちるように火花が小さくなっていく「散り菊」。この花火の4段階を十分楽しめるのは国産の線香花火だからこそ。
筒井時正玩具花火製造所 西の線香花火
関西の線香花火は「スボ手」と呼ばれます。「スボ」とは藁のこと。稲作が盛んで藁が豊富にあった関西では長くこの姿で作られてきました。火をつけた先端を斜め上にして持つと、火玉が落ちず長く楽しめます。
このスボ手牡丹を作るのに不可欠な藁も、今ではちょうどいいものを手に入れるのが難しいようです。筒井時正玩具花火製造所さんは同じ町内の農家にお願いし、スボ手牡丹を作るのに最適な長さ、乾燥状態の藁を入手しているようです。現在日本で「スボ手」を作っているのは筒井時正玩具花火製造所さんだけだそう。
筒井時正玩具花火製造所 東の線香花火
対してこちらは関東の線香花火「長手」。関西のものとは見た目が全然違いますね。火薬を和紙に包み、こより状にしています。この筒井時正玩具花火製造所さんの線香花火は、八女の手漉き和紙を天然の染料で染めています。燃えてしまうからと安価なものにせず、矜持を持って作っているのがわかりますね。
火玉が下になるように持ちますが、この時真下にまっすぐ持つのではなく斜め下45度に持つといいらしいですよ。
繊細で儚いものを愛でる、日本人の心。今年は国産の線香花火を楽しんでみませんか。
ひそかな雑貨店 うみねこ社
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