


厚みのある重厚な作りで、底にはアクセントとして繊細なカットが施されています。
こちらの作品からはウラン反応がありました。
ウラン反応とは、紫外線を当てると緑色蛍光を出すことを指します。

「ウラン」と聞くと原子力発電に使っている別世界のものと思っているかもしれません。
しかし最初のウランの利用法は美しいガラスだったのです。
ウランガラスに含まれているウランはごくわずかでガラスに閉じ込められているので外に出ることはなく放射能について心配する必要は全くありません。
第二次世界大戦中に原爆の材料となったことを境にガラス等への利用が禁止されました。戦後、利用禁止が説かれましたがウラン製造を再開したのはアメリカ、チェコなど数か国の数社にとどまります。

日本では明治に西欧から近代ガラスの製造技術が投入された後、大正期からウランの一般使用が禁止される
昭和初期のほんの短い間にウランガラスが作られました。
製造期間が非常に短く、年代がはっきりと特定されていて尚且つ数少なく限られているだけに貴重なものです。数奇な運命を経た希少なウランガラスは異彩を放つ魅惑的な美しさで人気を集め今も高額で取引されています。

ご紹介の作品は、縁の部分にヒビのような傷があります。
触ると感触はないのですがよく見ると中に傷が生じているように見えます。
これから亀裂が入ってくる可能性も考えられます。


また底の部分に擦れた跡がありますので長い時を経て愛用されていた作品であることが分かります。
これらを含めて味だと感じていただけるコレクターの方にお届できれば幸いです。
直径20.5㎝ 高さ7.5㎝