【コラム】 時代のはざま 50年代後期のドレスウォッチ

ヴィンテージウォッチのホワイトキングスです。1950年代のオメガの金張りのドレスウォッチ。はめ込み式の、ふっくらと膨らんだ裏蓋がオーセンティックな1本。手巻きです。

by アンティーク・ビンテージ時計修理・販売 WhiteKings(ホワイトキングス)

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【コラム】 時代のはざま 50年代後期のドレスウォッチ

編集日時: 2020/03/30 04:02

こんにちは。


WhiteKings(ホワイトキングス)店主です。


よく

「ヴィンテージウォッチとアンティークウォッチの違いは何ですか」と質問をいただきます。

お答えしますと”日本国内では”大きな違いはありません。


アンティークとは本来100年以上前に製造された製品を指します。

ただ日本ではそこまで厳密ではなく、ショップや個人によって呼び分けの基準は様々です。

3,40年前の時計をアンティークウォッチと表現しても日本では決して間違いではありません。


ヴィンテージはもともとワイン用語で、特に味の良い年に製造されたワインをヴィンテージワインと呼びました。

転じて「古くて価値のある」ものをヴィンテージと呼ぶようになりました。


「資産性にとどまらない、真に価値ある時計をご紹介したい」というスタンスから、古い時計を”ヴィンテージ”と呼ぶほうがしっくりくるかなと思い、ヴィンテージウォッチという表現で当店は統一しております。

アンティークであってもヴィンテージであっても、機械式でもデジタル式でも、分け隔てなく良いものは良いと言えるお店でありたいと思います。


当店のヴィンテージウォッチは、1950年代から1960年代のものが大半です。

このころの腕時計は、軍人・上流階級の持ち物から、一般向けの実用品として定着し、性能と信頼性が大きく飛躍した時期です。

そして星の数ほどモデルが存在し、自分だけの1本を見つけるには最適な年代といえます。

また、当店は「お客様に時計を使っていただく」ことを前提としておりますので、基本性能が比較的しっかりとした1950-60年代の時計が必然的多くなります。


今回は1950年代後半のOMEGAのご紹介です。



1950’s OMEGA ノンネーム 手巻き式 金張り

シーマスターやデビルといった呼称、いわゆるペットネームがついていない”ノンネーム”と呼ばれるジャンルのオメガです。



50年代ごろまでは、このような匿名性の高いノンネームモデルがラインナップに存在しました。

ペットネームが入っていないと、偽物なのでは?と思う方もいらっしゃいますが、当時のメジャーなラインナップの一つですのでご安心ください。


33㎜というやや小ぶりなケースが、当時のドレスウォッチらしいサイズ感。

当時ドレスウォッチといえば、32-35㎜ほどが一般的で、36㎜を超えるドレスウォッチは90年代以降に主流となりました。

現代でいえば男女兼用、ボーイズサイズのジャンルでしょうか。

男性、女性どちらがつけても違和感はありません。


この個体の製造は1958年。


腕時計は、年代ごとの流行や機構がデザインに反映されており、見た目でおおよその製造年を読み解くことができます。

この時計のように、時代の移り変わりの中で生まれたモデルは、クロスオーバーとして両方の年代の特徴を備えています。


50年代らしい部分は、その構造と素材。


裏蓋は、「スナップバック」と呼ばれる圧力で押し込んで蓋をするタイプです。

古典的な構造で、時計の厚みを薄く抑えることができ、上品な見た目となります。

そして、中の機械に当たらないようお椀のように丸く盛り上がっており、この見た目が良いという方が多くいらっしゃいます。


この丸く膨らんだ後ろ姿は、古い時計ならではと言えます。


反面、圧力で押し込んであるだけですので、防水性はほぼありません。汗や湿気に弱く、使うシーンを選ぶ必要があります。

お使いになった後は、ハンカチ等で裏面を拭いてあげたほうがより安心です。


表面のゴールドは金無垢でも金メッキでもなく、「金張り」という、今では殆ど行われない手法で形作られています。

金メッキは、表面を薄い金の膜で”塗装”しています。そのため、使用によって剥げてきたり、下地の地金が透けてくることがあります。

それに対し、金張りは文字通り金を圧力で”貼り合わせる”ことで、分厚い金のコーティングを施しています。

そのため、金が剥げるということは、殆どありません。金無垢のように色あせない美しさを、金無垢よりリーズナブルな価格で実現したのが、当時の金張りです。


60年代の到来を感じさせるのは、そのケースの形状。


ベルトを両側から支える「ラグ」と呼ばれる部分が、直線的なデザインなのがわかります。



50年代以前の時計は、このラグの造形が凝っており、うねっていたり曲がっていたり、複雑な形をしてました。

反面、強度的な問題も発生し、繊細なラグはときに衝撃や疲労で折れてしまうこともありました。


この個体は、まっすぐと伸びた「ストレートラグ」と呼ばれる形を採用しています。

このデザインは時計を端正ですっきりとみせ、フェイスを際立たせ、そして比較的強度に優れているという特徴があります。

このようなミニマルなラグのデザインは、60年代のスタンダードを先取りしていると言えます。


針(ハンド)は、先端に向け鋭く細くなる「ドルフィン」または「アルファ」と呼ばれる形状です。

OMEGAのドレスウォッチでは多く採用され、趣のある上品ないでたちがヴィンテージウォッチらしさを感じさせます。


このような過渡期に位置するモデルは、実はあまり多くありません。

繊細さと現代感の絶妙なバランスは、時代のはざまに生きた時計を色濃く印象付けています。


上記で申し上げた通り、防水性はありませんので、毎日着用される方には向きませんが、週末でのご使用や、特別な装いの日に着用するまさに”ドレス”な時計として、とても良い選択肢と思います。


本来はトランクショー限定商品につき、かなりお値打ちな価格設定となっております。

現代にはないデザイン、そして”古くて価値のあるヴィンテージ”として、ぜひご検討ください。


【商品】

https://whitekings.theshop.jp/items/27198086


WhiteKings 店主

【コラム】 時代のはざま 50年代後期のドレスウォッチ

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