studio482+に新しい道具が仲間入りしました。
土楽の「ごま煎り」。
焙烙(ほうろく、またはほうらく)とも呼びます。
ほうらく、がなまって、ほうろく、になったとか...。
呼び名は地方によって違い「焙烙」=皿型、「ごま煎り器」=茶器型(このタイプ)、と分けているところもあります...。
ちょっとややこしい。
焙烙(またはごま入り器)は大昔から日本ある台所道具で、
ごまのほか、大豆、玄米など穀物を煎ったり、煎茶でほうじ茶を作ったり、コーヒー豆も焙煎できます!
ちなみに、焙烙で夫が初めて生コーヒー豆の焙煎に挑戦したところ、意外や意外、びっくりするほどおいしかったです。
豆の焙煎は均一ではないし、技術もゼロだけど...。
この「ごま煎り」は伊賀焼・老舗の窯元の土楽の作品です。
「火だすき」の模様は、藁をのせて窯に入れ焼き上げたもの。
火だすきは備前焼でよく使われる技法です。
藁のところだけ赤茶に染まります。色も表情もそれぞれまったく違うのが特徴です。自然と偶然が生み出すデザインが美しい。
例えば、市販されている「いりごま」も、さっと煎り直すだけで全然違うんです。
いりごまだったら15秒ぐらいかしら。味を比べると一目瞭然。香りも味もぐっとよくなっています。
この「ごま煎り」は握り手が普通のものより長く、持ちやすくなっています。
土楽・福森雅武さんの奥様いわく、この長さじゃないとダメなんです、と。
使ってみると、なるほど、この長さじゃないとね、と思います。
studio482+でも扱っている土楽の土鍋と同じで、伊賀の土を使っています。蓄熱力があるので、2分半〜3分温めたら火を消し、ごまや煎茶を淹れて煎る、というような小わざもできます。
さっと煎るとき(煎りごまを蘇らせるときなど)はこちらの方法が断然いい。
火を消して煎る、というのは、思っている以上に安心して使えます。
私はこの道具でほうじ茶を作るのが大好きで、
午後、一息入れたいときに飲みます。
部屋全体がお茶屋さんのような香りで、実にアロマティックです。
この香りを嗅ぐだけで、心身がほぐれる。
↑ このぐらいで1分強。茶色まで煎るよりも、まだ緑が残っているぐらいが好き。
鉄瓶に入れると、お茶がまろやかになって、より一層おいしくなります、ふふ。
ほうじ茶の作り方をサイトにアップしました。
http://studio482.shivaniiskitchen.com/posts/2670084
「煎る」は大昔からある日本の伝統的な料理法です。
それは台所に立つ人に、愉しみと、香りと、そしておいしさを与えてくれる技法です。
料理は単に「作業」じゃない、ってことを日本伝統の台所道具はいつも教えてくれます。
煎る楽しさを、この「ごま煎り」で!
ごま煎り商品ページ
https://studio482.theshop.jp/items/7478175