スタンダードブックストア代表・中川が語る、「本屋」という場所

街の本屋が危ないとよく聞く昨今。みなさんはどこで本を買いますか?コンビニでの立ち読みやネット購入、電子書籍も登場し物理的な本を購入・手に取る機会が減りましたね。大阪・心斎橋に店舗を構えるスタンダードブックストアにて、代表の中川さんにとっての「本屋」やスタンダードブックストアの今後についてお話を伺いました。

by BASE Mag. 公式

スタンダードブックストア代表・中川が語る、「本屋」という場所

編集日時: 2016/08/02 15:27
街の本屋が危ないとよく聞く昨今。みなさんはどこで本を買いますか?コンビニでの立ち読みやネット購入、電子書籍も登場し物理的な本を購入・手に取る機会が減りましたね。
 
大阪・心斎橋に店舗を構えるスタンダードブックストアにて、代表の中川さんにとっての「本屋」やスタンダードブックストアの今後についてお話を伺いました。

コンセプトは特にないです

-- スタンダードブックストアでは本だけでなく、雑貨・家具や文具を取り揃え、カフェも併設。本屋というにはボリューミーな印象がありますが、どういったコンセプトなのでしょうか?

コンセプトは特にないんです(笑)。

一応、「ベストセラーは置いていません」と掲げていますが「置いている本はすべてスタッフが選んでいる」という意味で、ベストセラー本が厳密に1冊もないわけではないです。もともと、このスタンダードブックストアを始めたとき、「自分が行きたくなるようなすきなこと」をやろうと思っていました。なので、自分・スタッフがいいと思ったものだけを置いています。自分がいいと思ったものが1冊も売れないってことはありえないと思うんですよ。誰かしら好きになってくれると思っています。

万が一、売れない本があれば、それはディスプレイや隣においている商品とマッチしていないとか、お客さんにうまく伝わっていないだけだと考えます。


お弁当のレシピ本と一緒に、お弁当箱や巾着、包みを一緒に並べていました。明日からすぐにお弁当生活が初められますね。

本屋って気軽に行けて何時間いてもいいし何も買わなくてもいいすごい場所なんですよ

-- 併設されたカフェではイベントなども行っているんですよね。どうして始めたんですか?
 
やっぱりお客さんに来てもらうためですね。いくつ本を選んでいくつ並べてもお客さんが来てくれて目に止まらないと意味ないので。本屋って気軽に行けて、何時間いてもいいしなにも買わずに帰ってもいい場所なんですよ。これってすごくないですか?でも、だからこそ、来てもらうきっかけが大事なんです。


おいしそうなカフェのメニュー。飲食も可能です。

-- 行っているイベントもスタッフで企画しているんですか?
 
そうですね。一番初めにやったイベントはスタッフがカフェスペースでギターを演奏するっていうイベントでした。ギターの先生としても活躍していたスタッフがカフェで演奏するという、今思えばよくわからないイベントですよね。それでも来てくれるお客さんがいて聞いてくれるお客さんがいて。トークイベントだけじゃなくてワークショップなんかもやってます。

他のメディアとかで、大阪の情報発信地とか言われるんですけど、全然そんなことは思っていません。本を並べただけで情報を発信って、僕達そんなに文化背負ったりとかしてないですよ。情報って一方通行じゃなくて、双方向であるべきだと思っているので、どちらかと言うと情報をキャッチしたいですね。
 
-- 今大阪に3店舗ありますけど、今後拡大など検討しているのでしょうか?
 
スタンダードブックストアは2006年の11月に始めたんですけど、店舗をもっと増やしたいとかは全く考えてないですね。お店でイベントやってお客さんに来てもらって、人とつながって、っていうのが楽しいので。スタンダードブックストアとしてはやってないですけど、他の地方のお店のお手伝いとかはたまにしていますね。最近だと愛媛の松山とか福岡の久留米とか、本屋に限らないです。

結局、最後は人だと思っているので、ほんと大事にしていきたいですね。

きっかけは多いほうがいい

-- 人と会うことは大事だって、私達も同じように思っているんですけど、それでもネットショップを使っているのはどうしてなのですか?
 
知ってもらうため、ですね。やっぱりきっかけがないと難しいもので、イベントもそうですけど、興味を持ってくれればなんでもいいんです。初めはブログで本を紹介していたんですけど、ブログを読んで、実際にお店に来てみたくなって、っていうお客様がかなりいたんです。そうはいっても全員が全員、お店に来られるわけではないのでネットショップっていう形になりました。


お話をお伺いさせていただいた、スタンダードブックストア代表の中川さん。手にとっていただいたおすすめの本は「ようこそ ようこそ はじまりのデザイン/著graf」

「発見する」ことの楽しさを知ってほしい

-- 本屋に来てもらって実際に買うって決断させるのって難しくないですか?
 
そうですね、そのためにカフェを併設していたり、自由に読む事ができるようにしているっていうのはあります。

インターネットは便利だけど、「野生の勘」みたいなものも大切にすべきだと思うんです。損したくない症候群みたいなものが働いていて、ご飯食べる時もすぐスマホだして調べちゃうと思うんですけど、検索じゃなくて、通りがかって、「発見する」というたのしみを味わって欲しいです。もちろん失敗することもあるはずで、お金を払って失敗することも経験していってほしいですね。

10年目を迎えるスタンダードブックストア

-- 今年の11月で10年目を迎えるということで、今後やっていきたいことはありますか?
 
もっともっと、一緒に作っていくようなイベントがしたいですね。あと、まちづくりに興味があります。本屋がある街っていいですよね。コンビニよりも本屋のほうが多い街。本で繋がりを作っていきたいです。

スタンダードブックストアを立ち上げるもっと前は百貨店の中の本屋に勤務していました。実はその時は本屋の空気がすごく嫌いで、山のように積まれた同じ本、どの本屋も同じ天井同じ床、全部同じ作りで息苦しかったんですよね。もっと自由でワクワクするような場所にしたいってずっと考えていて、結果としてスタッフを一番大事にしています。スタッフの服装や容姿は問わないです。基本的にはスタッフが選ぶ本にもルールはありません。もちろん、自由の中にルールはあると思っていますけどね。


お店の入口はガラス張りで店内の様子がよく見えるようになっていました。が、地下にはさらにたくさんの本がありました。

実際に店舗に行ってみて、本の隣にソースが置いてあったりキッチン雑貨がおいてあったり、衣類や家具などもありました。もちろん、そのとなりには関連する本が。本を読んで、関連する本を読んで……どんどんつながっていく感覚が知的好奇心を煽ってきて興奮が止まりませんでした。「ワクワクするような場所をつくりたい」という話を実際に聞いて、本当にそのとおりだなあと実感しました。
 
 
店舗情報
STANDARD BOOKSTORE スタンダードブックストア 心斎橋
〒542-0086
大阪市中央区西心斎橋2-2-12 クリスタグランドビル1F BF
電話番号:06-6484-2239
営業時間:Everyday11:00am-10:30pm
 
株式会社鉢の木 中川和彦/スタンダードブックストア代表 
1961年大阪生まれ。大阪市立大学生活科学部住居学科卒業。1987年父の経営する(株)鉢の木入社、代表取締役就任。2006年「本屋ですが、ベストセラーはおいてません。」をキャッチフレーズに、カフェを併設する本と雑貨の店・スタンダードブックストア心斎橋オープン。2011年に茶屋町、2014年にあべの、そして2015年4月に、もりのみやキューズモールBASEにオープンしたまちライブラリーに併設するカフェとして新規オープン。本は扱うが本屋を営んでいる意識は希薄で人が集まり、人と人が直接触れ合う場を提供したいと考え、ジャンル問わず様々なゲストを招いてイベントを数多く開催。
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