「ブランド牛の影に埋もれた"美味しいお肉"を掘り起こしたい」ーー 新しいカタチの精肉店「TOKYO COWBOY」誕生秘話

東京・用賀にオープンした精肉店「TOKYO COWBOY」。用賀にあるこのお店、ただの精肉店とはちょっと違う。美味しいお肉はもちろん、これまでのお肉屋さんのイメージを覆すその販売スタイルの秘密に迫りました!

by BASE Mag. 公式

「ブランド牛の影に埋もれた"美味しいお肉"を掘り起こしたい」ーー 新しいカタチの精肉店「TOKYO COWBOY」誕生秘話

編集日時: 2016/04/30 10:31
高級感あふれるイメージが強く、「住んでみたい区」1位にも選ばれている東京都・世田谷区。その地に、これまでのお肉屋さんのイメージを覆す、一風変わったお肉屋さんがオープンしました。そのお店の名は「TOKYO COWBOY」。

「本当に美味しいお肉を食べて頂きたい」そんな想いがコンセプトとなっており、ミート・コンシェルジュによるオーダーカットでの和牛の販売、ブロック肉を管理・保管する『MEAT KEEP』システムの提供を行っています。

まさに新しいカタチのお肉屋さん。これまでにも、お肉屋さんは数多くありましたが、なぜこのようなコンセプトのお肉屋さんを立ち上げようと思ったのでしょうか?今回、「TOKYO COWBOY」を運営するJNYコーポレーション株式会社の上野望氏にお店を立ち上げたきっかけ、今後の展望などを伺ってきました。

お客様の喜んでいる姿が見れない……。証券会社の仕事で覚えた違和感が「TOKYO COWBOY」立ち上げのきっかけ

JNYコーポレーション株式会社 CEO&President 代表取締役
上野 望 氏

-- 新しいカタチの精肉店「TOKYO COWBOY」。立ち上げようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

上野:今は精肉店をやっていますけど、元々、証券会社で働いていて。主に金融商品の営業をやっていました。

-- 証券会社で働かれていたんですね。ちょっと意外でした!

上野:約20年くらい金融商品の営業を行っていたのですが、自分がやっている仕事に対して、ちょっとした違和感を覚えまして……。

-- ちょっとした違和感ですか?

上野:現在取り扱っているお肉と違って、金融商品は”目に見えない商品”なので、どれだけ販売してもお客様の喜んでいる姿が見れない。むしろ、金融商品は結果を出して当たり前の商品と思われているので、喜ぶ姿どころか、「なぜ、きちんとパフォーマンスが出ていないの?」とクレームを頂くことが多かったですね。

もちろん、最初は楽しく働けていました。しかし、どれだけ販売してもお客様の喜ぶ姿は見れない。そんな環境に”やりがい”を感じていない自分がいることを知って。

やっぱり自分はお客様の喜ぶ姿を見ていたい。だからこそ、「お客様と喜びを共有できるものをビジネスにしていきたい」という思いを持つようになりました。



-- それが転機となり、「TOKYO COWBOY」の立ち上げへ?

上野:そうですね。ちょうど3〜4年前、お肉を取り扱っている友人とお酒を飲みながら熱く語り合っていたら「こんなお肉屋さんがあったら面白いよね」と話が盛り上がっていき、実際にお店を立ち上げることになった。これが「TOKYO COWBOY」をオープンする、きっかけですね。

オンリーワンのビジネスモデルで海外展開もできる。その思いを叶えるために、僕は”和牛”で勝負する道を選んだ




-- ちなみに「起業したい」という思いは、もともと持っていたのでしょうか?

上野:証券会社に勤めている頃から、「起業したい」という思いは持っていて、色々と事業のアイデアは考えていました。けれど、自分が考えたアイデアはどれも「誰もが真似できるものだ」と思ったので、一歩踏み出せずにいたんです。

でも、「TOKYO COWBOY」の立ち上げは違った。パートナーからお肉の話を聞けば聞くほど、「すごく面白そうなビジネスだな」と思いまして。

-- その面白さ、具体的に教えてください。

上野:”お肉”という業界は良くも悪くも特殊で。「明日からお肉屋さんをやりたいです!」といっても、すぐには出来ない。ハードルがものすごく高いんです。

この”真似できない部分”が、個人的にはビジネスをする上で一つのアドバンテージになると思いましたし、また自分たちのように最高級部位の和牛のみを取り扱うお肉屋さんは日本全国どこを探し回っても、一つとしてない。

現在手がけている、”最高級部位の和牛のみを取り扱う”というビジネスモデルであれば、昔から抱いていた「ナンバーワンではなくオンリーワンになる」という思いを叶えられるなと。だからこそ、”お肉”という業界で心機一転、チャンレンジしていくのはすごく面白そうだと思いました。



上野:また、”和牛”という食材であれば海外にも展開していける。僕自身、アメリカで留学、就業していた経験もあり、「海外にもビジネスを展開していきたい」と考えていました。とはいえ、海外展開は簡単なことではありません。どういった業界にチャンスがあるか考えていて、”和牛”の販売だったらイケると。

-- なぜ、そう思ったのでしょうか?

上野:数年後、TPPの影響によって関税が下がるため、必ず日本から海外へ和牛を輸出する機会が増える。きちんと、今のうちに販売の仕組みを作っておけば、関税が下がったときにアドバンテージを持って、北米やアジアへと進出できると思ったからです。

オンリーワンのビジネスモデルで海外展開もできる。自分が”やりたい”と思っていることを叶えてくれる”お肉”という業界はシンプルに面白いなと思いました。だから、「最高級部位の和牛のみを取り扱う」という道で勝負をすることにしたんです。

あえてブランド牛をメインに取り扱わない。「TOKYO COWBOY」が徹底する”お肉”へのこだわり




-- お肉屋さんは数あれど、確かに最高級部位の和牛のみを取り扱っているお店ってないですね。

上野:「TOKYO COWBOY」も、やっていることは昔ながらのお肉屋さんと変わりはありません。ただ、商店街にあるような昔ながらのお肉屋さんが大型スーパーによって閉店を余儀なくされてしまっている状況にあるので、僕たちは「今の時代にマッチした形」でお肉屋さんを表現しているだけ。

-- 「今の時代にマッチした形」ですか?

上野:お肉屋さんもそうですが、実は牛を育てている人たちも人材不足で厳しい状況が続いているんです。神戸牛や松坂牛といったブランド牛ばかりに目がいってしまいがちですが、世の中には強いこだわりを持ち、丹精込めてお肉を作っている酪農農家もたくさんある。

そういった方々のお肉があまり知られていないのは非常に勿体ないことだと思うので、僕はこだわりを持ってお肉を作っている酪農農家の方にもっと日の目を浴びさせたいと思っているんです。

もちろん、神戸牛や松坂牛といったお肉も美味しいのですが、そういった思いがあるからこそ、「TOKYO COWBOY」ではブランド牛にはこだわらず、僕たちの基準で選んだ美味しいお肉だけを店頭に並べるようにしています。



上野:今後、お店が順調に成長していけば、僕が牧場に直接伺い、生産者たちの声をネットを通して「TOKYO COWBOY」のファンに届けていきたいですね。こうやって、生産者たちにより貢献できるような仕組みを作っていくことが、これからの時代に求められると思うんです。

-- 量よりも質を求める。まさに今の時代のニーズに適したモデルですね。

上野:多くのお肉屋さんは、松坂牛・神戸牛と高級度をアピールして良いお肉を販売しているのですが、僕たちが目指しているのは「TOKYO COWBOY」基準を作ること。「TOKYO COWBOYのお肉を買えば、間違いないよね」と思ってもらえるくらい、私たちのお肉を選ぶ基準が美味しさの基準になっていけばいいですね。
 

「商品数の上限がない。これが何より魅力的だった」TOKYO COWBOYがBASEを利用し始めたワケ


-- 話が変わるのですが、「BASE」で商品を販売しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

上野:今は実店舗だけでなく、オンラインで商品を販売するのは当たり前の時代。「TOKYO COWBOY」を立ち上げた頃から、オンラインでの販売も考えていたのですが、通販サイトを持つ規模でも無かったので、まずは無料で始められるサービスから使ってみることにしたんです。

そこで紹介されたのが、BASEとSTORES.jpだった。

「TOKYO COWBOY」のオンラインストア

-- そうだったんですね。ちなみにBASEを選択した理由は?

上野:とりあえず両方使ってみたのですが、BASEが良かったのは商品数で無料/有料の切り分けがなかったこと。「TOKYO COWBOY」は商品数が多いので、そこは非常に魅力的でしたね。あとは、BASEのデフォルトのページが「お店の雰囲気にマッチしそう」と思ったので、BASEを利用することにしました。

-- 実際、ネットでの販売を始めてみて、どういった所が良かったですか?

上野:やっぱり、北海道から沖縄の人たちにまで商品を販売できるようになったのは大きいですね。また、僕たちはバレンタインデーやホワイトデーなど、季節限定の商品も販売しているのですが、導入前は銀行振込か代引きしか決済の方法がなく、ギフトとして贈りづらかった。

でも、BASEを導入してからはカード決済が可能になったので、ギフトとしても贈りやすくなった。本当に今では欠かせない役割を担ってくれていますね。

普通のお肉屋さんで終わりたくない。TOKYO COWBOYが思い描く、今後の展望




-- ちなみに実店舗はいつオープンしたんでしょうか?

上野:昨年の11月15日ですね。オープンからちょうど4ヶ月が経ちました。

-- 世田谷区上用賀にお店を構えた理由は何かあったんですか?

上野:理由かぁ……僕は鎌倉の出身なんですよ。だから、車でアクセスしやすいエリアを軸に考えていて。なおかつ、「TOKYO COWBOY」の価格帯を理解してくれるお客様は世田谷区や港区、目黒区に住んでいる方々だろうと。そこに、「ファミリー層が多く、地元に密着できる」という条件を加えていったら、自然と世田谷区が第一候補に挙がってきました。

よく、お客様からは「なんでこんな場所で始めたの?』と言われるのですが、商店街でやる考えはなかったですし、お肉が好きな人は場所を問わず訪れてくれる。そう思っていたので、落ち着いた場所にお店を構えて「知る人ぞ知る名店」という立ち位置にできればいい。そんな狙いもありましたね。



上野:また先ほども話したのですが、通販を始める考えは最初からあり、全国どこでも「TOKYO COWBOY」の商品を購入できるようにする予定だったので、必ずしも人が集まるエリアに出店しなくてもいいのかなと。

-- 今後、新しく店舗を出店する予定はありますか?

上野:店舗を増やしていく考えはあります。今、考えているのは少し形態を変え、お持ち帰り専用の小さい店舗を作りたいなと。

-- お持ち帰り専用の店舗。

上野:そうです。2020年に開催される東京五輪をきっかけに、海外の観光客も増えてきている。中国観光客の爆買いもそうですね。今後は購買活動も洗練され、細分化していくので、”和牛”を買うニーズもきっと出てくる。僕としては「普通のお肉屋さんで終わりたくない」と思っているので、お持ち帰り専用の店舗を作っていきたいと思っています。

-- では最後に。「普通のお肉屋さんで終わりたくない」という想いの実現に向けて、今後の展開を教えていただけないでしょうか?

上野:お客様から、「TOKYO COWBOYって面白いよね」と言ってもらいたいので、今後はブランドとのコラボを考えている。電機メーカーや食品メーカー……アイデアは様々あります。もっと、「TOKYO COWBOY×◯◯」をもっとやっていきたいですね。一般のレストランでの飲食業にはあまり興味がないので、BBQなどの野外イベントと提携したり、既存の枠組みに囚われず、色々なことにチャレンジしていくつもりです。


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店舗情報
TOKYO COWBOY
〒158-0098
東京都 世田谷区上用賀1-10-16
03-6805-6933
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜日

購入はこちら:http://tokyocowboy.theshop.jp/
「ブランド牛の影に埋もれた"美味しいお肉"を掘り起こしたい」ーー 新しいカタチの精肉店「TOKYO COWBOY」誕生秘話

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