「間葉系幹細胞」と美容・健康について(その2)

遠赤外線が、肥満患者の体脂肪を減少させ、一方、骨粗しょう症患者における骨量減少を抑制する可能性について

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「間葉系幹細胞」と美容・健康について(その2)

編集日時: 2019/11/11 02:57

今月の初めにブログで、「間葉系幹細胞」と美容・健康について、少しご説明させていただきました。「間葉系幹細胞」は脂肪細胞や骨芽細胞、筋芽細胞など多様な細胞種に分化することが知られていることから、骨や血管、心筋の再構築などの再生医療への応用が期待されています。間葉系幹細胞の分化によって生体の骨や筋肉、脂肪などのバランスが保たれていますが、肥満や骨粗鬆症などの病態ではこのバランスが崩れていることが報告されています。


遠赤外線(FIR)照射は、心血管機能の改善を含むさまざまな生物学的効果を示すことが報告されています。しかしながら、FIR照射の幹細胞分化に対する影響は殆ど研究されていません。本研究では、扁桃由来の間葉系幹細胞を使用して、FIR照射による脂肪細胞または骨形成への分化に対する影響を調べました。

実験方法は、間葉系幹細胞をさまざまな時間(030、または60分)でFIR照射(波長3-25μm)し、脂肪細胞または骨細胞への分化を14日間誘導しました。細胞分化の終わりに、オイルレッドO(※1)またはアリザリンレッドS(※2)溶液を使用して細胞を染色し、分化特異的タンパク質の発現をウエスタンブロット法で分析しました。その結果、FIR照射は、オイルレッドO染色の減少、ならびに脂肪細胞のバイオマーカー(※3)であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γおよび脂肪酸結合タンパク質のタンパク質発現の上昇によって示されるように、間葉系幹細胞の脂肪細胞への分化を有意に阻害しました。また、FIR照射は間葉系幹細胞の脂肪細胞への分化を阻害する一方、間葉系幹細胞の骨細胞への分化を促進することも示されました。


FIR照射は、血管機能の改善を含むさまざまな生物学的効果に寄与することが知られています。これは、血管拡張効果のある一酸化窒素(NO)の生体内の内皮細胞(EC)からの産生に一部起因すると言われています。また、FIR照射は熱ショックタンパク質(HSP)の発現上昇を通じて癌細胞の増殖を阻害することも報告されています。本研究では、FIR照射が間葉系幹細胞の脂肪細胞への分化を阻害し、骨細胞への分化を促進することを実証しています。

実際に、FIR照射が肥満患者の体脂肪を減少させ、一方、骨粗しょう症患者における骨量減少を抑制する可能性については、まだまだ議論のあるところだと思いますが、関連するFIR照射における分子および細胞メカニズムの理解を深めるための興味深い研究成果の一つとしてご紹介させていただきました。

 

※1:脂肪染色時に使用し脂肪細胞と中性脂肪を組織学的に検出する研究用の染色色素

※2:組織化学。組織切片のカルシウムを測定するために用いられる研究用の染料色素。成長中の骨の生体染色にも用いられる。

※3:通常の生物学的過程、病理学的過程、もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標

 

文献引用元:Kim HY et al.: Cell Physiol Biochem. 2019;52(2):240-253.


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