「なんちゃってSDGs」企業が陥っている共通のわな

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「なんちゃってSDGs」企業が陥っている共通のわな

編集日時: 2021/07/26 07:01

いま世の中にはたくさん会社があります。中には創業者が単に上場したい、お金儲けをしたいという動機で始めた会社もあるかもしれませんが、多くはそうではなく、「誰かの役に立ちたい、地域や社会に貢献したい」という何かしらの志をもって創業したと思います。

しかし、事業を続けていくうちに、いつの間にか売上や利益の最大化に目的がすり替わって、売上を拡大するための新規事業を考えてしまっているようなことがよくあります。

これは、指標の設定に問題があると僕は思っています。会社の経営状態を測る指標はいろいろありますが、どこの会社でも最も重要視されているのはやはり売上と利益でしょう。事業継続には欠かせない重要なものであることは間違いないですが、これらを唯一の指標としてしまうと、いつの間にか売上や利益の追求だけに走ってしまうのは無理もないことです。

一方、国の豊かさを測る指標は、かつてはGDPのみでしたが、今は幸福度を測る指数や、報道の自由を測る指数、女性の活躍度合いを測る指数など多様化しています。会社の価値を測る指数も、もっと多様なものがあってもいいのではないでしょうか。

僕たちは社会問題を解決するために事業をしているので、その目的を果たすために自分たちが追いかけるべき成果を明確にした独自の指標を持っています。それが、解決したい社会問題に対してどれだけインパクトを与えられたかを数値で表した「ソーシャルインパクト」です。

たとえば、僕たちが手がけるミャンマーの貧困農家のためのハーブ事業(AMOMA)の場合、
・契約農家数
・借金がなくなった農家の数

この2つをソーシャルインパクトの指標に設定しています。事業の黒字経営は大前提ですが、この2つの数字を伸ばしてはじめて、AMOMA事業は成功と言えるのです。

ソーシャルインパクトは各事業が追求する指標ですが、では、グループ全体では何を指標にしているのか。僕たちが追求するのは、社会起業家の数、すなわち会社の数です。社会起業家が増えれば増えるほど、多くの社会ソリューションが生まれ、社会がより良くなっていく。そのために、年間100社の立ち上げを目指しています。

ソーシャルインパクトは数値化することが重要です。ボーダレスグループではこれらの数値を売上・利益とともに、月次で追いかけています。なぜソーシャルインパクトの設定にこだわるかというと、先述したように、これがなければいつの間にか売上・利益重視のビジネスになりかねないからです。

こうしたリスクはAMOMAも例外ではありません。

母乳育児ハーブティが産後ママの間で人気になり、ブランド認知がアップしていくと、「AMOMAブランドで抱っこひもをつくってほしい」「オーガニックコットンの授乳服を出してほしい」といった要望が実際に出てきます。日本の産後ママの10%が購入しているブランドです。要望に応えて抱っこひもをつくれば、きっとそこそこには売れるでしょう。売上・利益だけ見れば成功です。

しかし、抱っこひもの売上だけ伸びて、リンレイ村の契約農家の数が増えなければ、それは単なる金儲けのためのビジネスです。僕たちがやろうとしているビジネスではありません。

仮に、抱っこひもをつくることで、顧客との接点が増え、ハーブティを飲む母親が確実に増えるというなら、抱っこひもをつくることにも意味があるかもしれません。しかし、マーケットニーズがあるからやる、となるとソーシャルビジネスの本質から外れてしまいます。

そうやって、いつの間にか売上や利益を追いかけるだけの商売に変貌しないために、ソーシャルインパクトを設定する必要があるのです。事業が立ち上がった瞬間から、毎月そのソーシャルインパクトを数値として追いかけることで、ソーシャルコンセプトからズレずに、社会問題を解決することができます。

逆に、理念・ビジョンだけで、事業のソーシャルインパクトを設定していない、またはそれを数値として追っていない会社は、本気でそれを追いかけていないのでしょう。そういう意味では、ソーシャルビジネスとは、ソーシャルインパクトを経営指標として据えているビジネスのことをいうのかもしれません。

「でも、結局は、ビジネスの目的はお金儲けだよね……」。そう思われる方も多いでしょう。 

企業の社会的責任が問われて久しく、本業とは別に社会貢献活動を行うCSR、そして最近ではSDGsに取り組む企業が増えてきました。とてもいいことです。しかし、「利益を出し、雇用をつくり、経済を回すことが、一番の社会貢献だ」という言葉を盾に、売上・利益の最大化を目的とするビジネスの本質は変わることはありませんでした。

その結果が、今ここにある大量生産・大量消費・大量廃棄の世界。たしかに経済の拡大とともに、生活は豊かになり、欲しいものは何でも手に入る時代になりました。外に出れば24時間営業のお店がある。欲しい時に欲しいものを食べ、好きな服を買える時代になりました。次から次に新しい商品やサービスが生まれ、衣食住がそろった便利な社会になりました。

でも、私たちは幸せになったのでしょうか?

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産業活動の発展と引き換えに、二酸化炭素の排出量は増え続け、産業革命前に比べて大気中のCO2濃度は40%も増加。深刻な地球温暖化を招いています。繰り返し起こる異常気象や感染症の拡大など、私たちの暮らしにも大きな影響が出始めました。

そして、広がり続ける所得格差。日本の子どもの7人に1人が貧困状態にあると言われています。増え続けるひとり親世帯の貧困率は約50%に上ります。

5人に1人が生涯のうちに何かしらの精神疾患、15人に1人がうつ病にかかると言われています。日本人の若年層の自殺率は世界でトップクラス。15歳から39歳の死因の第1位が自殺という悲しい事実。

「衣食住足りて、不幸せ」になってしまってはいないだろうか?

人々の生活を豊かにしようとしたビジネス。いま改めてその目的に立ち返る時です。包丁は、愛する人においしい料理をつくるためにも使えれば、人を傷つけることにも使えるように、すべては使い方次第です。経済発展・効率の追求をするあまり、たくさんの人を置いてきぼりにしてきたビジネスを、今度は「誰一人取り残さない社会」をつくるために使う。ビジネスの使い方を変える時がきました。

ビジネスが引き起こしてきた問題は、ビジネスが変わることで解決できる。今こそ、ビジネスの真の価値が問われる時です。

行動を後押しするブログ【hidedonblog】

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