本当においしいお茶とは?船本さんと釜炒り茶の話

全国でもごく少人数しか担い手のいない「青柳製釜炒り茶」を生産する船本さんと、彼の作るおいしいお茶のお話です。

by にほんちゃギャラリーおかむら

View

405

値段

在庫数

The Story of Our Tea #02 / 船本さんと釜炒り茶の話

編集日時: 2018/05/18 18:39

おいしいだけではなく、心までも豊かになれる時間をもっとつくるために。

お茶と、その作り手を伝えるシリーズ The Story of Our Tea です。

 

 

▶ The Story of Our Tea #02 / 熊本県 八代市 泉町 / 船本繁男さん

 

「見るお茶と、飲むお茶。あなたはどっちがつくりたいの?」

彼の生涯におけるお茶づくりを変えたのは、この一言でした。

 

平家の落ち武者が里としたといわれる「五家荘」エリアに住まう船本さんは、

過去に自らの作るお茶が全国の品評会で入賞するなど実力派。80歳を過ぎた今も加工場に立つ現役の茶師です。

 

そんなときにある人から放たれた「見るお茶?飲むお茶?」に船本さんは唸ってしまいました。

というのも品評会では、味や香りだけでなく、基準に見合った外見を持ち合わせていないと

勝ち上がることが難しかったのです。繁男さんは、本来「飲む」はずのお茶であるのに、

おいしさよりもむしろ外見にばかり気をとられていたお茶づくりを大転換させます。

 

▶ 伝統への回帰「青柳製釜炒り茶」

 

一般的に流通しているお茶の多くは緑茶ですが、その製法は煎茶(蒸し製の緑茶)です。茶葉を蒸してから乾燥させます。

これに対して「釜炒り茶」というものがあるのをご存じですか?煎茶とは異なり、

茶葉を文字通り鉄釜でバチバチと炒ってつくる、かつて大陸から伝わった作り方を今に残すスタイルです。

 

伝統的に九州の山間部で継承されてきた釜炒り茶も、煎茶と比較して著しく生産効率が低いこともあり、

近年では担い手が激しく減少しています。船本さんは、機械化された釜炒り茶の製造方法のなかでも

特に古い作り方「青柳(あおやぎ)製」を信条とし、全国でも数えるほどしか残っていない生産者のひとり。

 

品評会のためのお茶ではなく、みんなが飲んでおいしいと思うお茶を。

その気持ちから、繁男さんは煎茶から釜炒り茶へと移行したのです。使用する機会は昭和20年代に製造された「丸釜」。

 

 

▶ 日本茶の、本当のおいしさを求めて

 

この釜で作るお茶は、十人十色。オートメーション化できない工程ばかりなので、同じ原料を使用しても仕上がりはばらばらです。

船本さんが手がける釜炒り茶も毎年表情が異なりますが、今年はカラっと気持ちのよい澄んだ味わいとのど越しのよさ、

口に残るふんわりとした甘さ、そして何煎飲んでも胃にもたれない優しさを持ち合わせています。

緑茶はお腹がもたれる、という方も多いのですが、このお茶ならきっと大丈夫。農薬も長年使用されていません。

 

「長年やっているけど、これで完璧と思ったことは一度もないな」と船本さん。

体の元気な限りはこのお茶づくりを続けたいと仰っています。

 

 

ちょっとくらい欠けた器でも気にしない。

船本さんの家に行けばおいしいお茶がつぎつぎと出て、お茶談義に大きな花が咲いて…

いろいろ飲むけど、「やっぱり、これが落ち着くんだなあ」と、自身のつくる青柳製釜炒り茶を愛おしそうに眺めます。

 

長い間、彼とその家族が暮らしを共にしてきたお茶。

これからも、いついつまでも、彼のつくるお茶を傍に置いておけますようにと願っています。

 

青柳製釜炒り茶。2018年製造分の多くを私が預かりました。

一度試していただければ、きっとわかってもらえます。

これが、気張らず楽しめる、本当のおいしいお茶なんだ…と。

 

「クラシックシリーズ / 青柳製釜炒り茶(熊本県八代市泉町)」¥2,000 / 50g

 

The Story of Our Tea #02 / 船本さんと釜炒り茶の話

このアイテムが気に入ったら
「いいね!」をしよう!

BASEの最新情報をお届けします