バロック(異形)真珠ブランドRAETが産まれた瞬間

あこや真珠のバッロク(異形)だけを使用した新ブランドRAET(リート)が生まれるまでのストーリーです。

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バロック(異形)真珠ブランドRAETが産まれた瞬間

編集日時: 2020/12/02 19:49

バロック真珠ってご存じですが?
丸くなれなかった真珠です。
実は、ジュエリーになれる真珠は全体の20%程度しかありません。残りの80%は形がいびつで商品化できない真珠。海外のハイブランドでは、その独特の形状を活かしてジュエリー加工されていたりしますが、日本のアコヤ真珠は従来からフォーマルジュエリーのイメージが強く、まん丸の珠が連なるものとして認識されているので、バロック真珠を使った商品はあまり多くありません。
「バロックも輝きは変わらず綺麗なのに、可哀そうだよね。」
真珠を中心に宝飾品加工を手掛けるOKKO真珠の中川社長が言った一言。「可哀そう」という部分にすごく引っ掛かっていました。そう、真珠が他の宝石と大きく違うのは、生き物が育てたということ。
日本のアコヤ真珠であれば、アコヤ貝という貝が大切にお腹の中で育ててきたもの。その80%が使い物にならないなんて。
そして、数年の時を経て、バロックを商品化してみようということに。でも、これは言葉でいうほど簡単なこではありませんでした。
バロックの中にも、色んな個性があって、ネックレスにできるもの、イヤーアイテムにできるもの、残念だけど商品化には向かないもの。これを手作業で選別しなければいけません。
1つ1つの形状が違うということは、加工もそれだけ難しくなります。どうやったらバロックを手に取って貰えるのか、どうやったらその可愛さや魅力が伝わるのか?課題が山積みの中、バロック真珠ジュエリーの開発が始まりました。
プロジェクトが立ち上がったのは、展示会でバロックパールの新ブランドを発表することを決めた2ヶ月前でした。普通ならあり得ない。いや絶対にありえない短スパンでした。この時点でバロックを使うこと、プロジェクトメンバー以外に何も決まっていませんでした。
ちなみにメンバーは、OKKO真珠:中川社長(伊勢本社・真珠担当)、中村氏(甲府支店・中村氏)、小島さん(伊勢本社・プロジェクト担当)、外部メンバー:西田氏(プロダクトデザイナー・現OTHERDESIGN代表)、田中氏(グラフィックデザイナー)、僕(ブランド・プランナー)でした。

僕らは、まずバロックの定義から始めることにしました。仕入れたバロック真珠は玉石混在状態。お客様に満足してもらえる商品にするためには、珠の選別がとても重要になります。山のようなバロックの中から、一つづつ評価してプロジェクトメンバーで議論しました。
今とは違って、新型コロナもまだない頃、度々メンバーで顔を合わせて打合せを重ねました。
珠(ちなみに業界ではルースと呼ぶ)の選定基準が決まると、今度はブランドの方向性について。
「なぜ真珠は丸くなければいけないのか?」自問自答の日々。打合せ帰りの車の中でも、西田君と徹底的に議論する。それでも答えは出ません。自分でバロックの価値が見いだせなければ、それを他人に理解してもらうことなんてできるはずがありません。
「真珠は人魚の涙」と形容される。丸い涙なんてないから価値があるのか?
ひたすら真珠に関する資料や歴史を紐解き、関連の博物館にも足を運びました。
「涙は、決して丸くない。」先に出てきたのはキャッチコピーでした。僕の場合は、全てが文章となってアイディア化されることが殆ど。
次にビジュアルが浮かんびました。
なぜバロックでなければいけないのか?
そう、規則性のないバロックの形状が、パールの輝きを更に乱反射させて、より美しく、より妖艶に魅せるから。なんて取って付けた理由じゃありません。
人生はまっすぐじゃないし、まん丸でもない。長く生きるうちに色んなところにぶつけて、凹んだり、曲がったり、傷ついたりしています。涙やバロックパールと同じように「大人」の人生も丸くはないのです。
そんな女性の強い人生を象徴するためには、バロックの不規則な形状しかないのではないか?
流した涙、堪えた涙、悔し涙、嬉し涙、悲し涙、これまでの涙を身に纏って、もう一段強く美しくなって欲しい。そんなブランドイメージが固まった瞬間でした。
裏話をすると、このビジュアルはメンバーや外部の皆さまにすごく苦労して貰いました。しかもお盆期間に。
写真で流れる涙を写すのは技術的に難しい。それは何となく想像していたのですが、現実は想像以上でした。
一枚の写真に丸一日が費やされました。

一方で、商品の試作は難航していました。ブランドコンセプトが固まっても、それをどうやって表現するのかは大きな課題でした。単にチェーンにバロックパール繋げただけでは、とても目指すような商品には仕上がりません。かと言って、装飾の一部としてバロックを使うのでは、とてもバロックが主役とは言えません。
大人の女性に着けて欲しい。だからこそ、シンプルでエレガンスで質感の高いものを作りたいと思いました。
プロダクトデザイナーの西田君から絵が上がってきたとき、2ラインあるうちの1つはピ正直ンと来ませんでした。
それでも、時間的な限界もあって試作に入ることに。この時点でお披露目の約1カ月前。
三重県伊勢(OKKO真珠・本社)、山梨県甲府市(OKKO真珠・甲府営業所)、静岡県(プロダクトデザイン)、愛知県(グラフィックデザイン)が驚異的な意思疎通と行動力で撮影用・展示用のプロトタイプを仕上げてくれました。
そこから間髪入れずに撮影、パンフ、展示ブースなどの作成に。とにかく現物がないと何も進まない状況だったので、試作が仕上がってからは、ダムが堰を切ったように物事が流れていき、なんとか本番の展示会でお披露目できることに。
実を言うと、この現物を僕が実際に見たのは展示会場でした。
2019年9月、東京インターナショナルギフトショーで「REAT」をお披露目。
ブランドロゴも、パンフも、展示台も、ブースパネルも、モチベーションの高いメンバーが揃えば、全てがギリギリのタイミングで間に合ってくるものだなぁと強く実感しました。(この時点ではまだ外箱は完成していませんでした…)
企画から約1カ月強、突貫と言いながらも、ここまで作り込みができたことに、ブースを少し離れて眺めながら感慨深いものを感じました。商品開発は悪戯に時間を掛ければ良いというものでもありません。関係者のモチベーションが短期間に集中的に高まれば、そのパワーはすごいものになります。
もう一つは、以前の記事で触れましたが、実はこのデザインはデザイン画の時点では、個人的にはあまり気に入っていませんでした(西田君ごめんね。見る目がないので許して。)。ところが、実際に立体化してみると、あまりの素敵さに心を奪われて、もう一方のラインが霞んで見えるほど(これもまたごめんなさい。それくらいインパクトがあったので。)。
当然、コンセプトに合わせて両ラインともきっちりとデザインされ、商品化されているので、趣味やシーンに合わせて選択したり、もちろん使い分けってもらえると最高に嬉しいです。
発表から約1年が過ぎて、RAETをあらためて手元に送ってもらい、自分で写真を撮ってみました(下手な写真でごめんなさい)。色々な思いがこみ上げてきます。
ブランド名「RAET」として、世の中にお披露目さえれたバロックパール。ただ、この形状を生み出すのは、そんなに簡単なことではありませんでした。
どんぐりの帽子のように被さった10Kゴールドの受け皿の上に、バロックパールが乗るデザイン。真珠加工の技術も、地金加工の技術も両方あって初めて形になる。真珠の産地であり、OKKO真珠の本社がある三重県伊勢市では、真珠の珠(ルース)の下処理と穴あけ等の加工を行う。一方、宝飾品加工の産地であり、OKKO真珠も営業所を構える山梨県甲府市では、一つ一つ形の異なるバロックパールに合わせて地金を加工していく。そんな、日本の伝統産業の技術のリレーによって出来上がっています。
本当に他にはマネのできない商品。同じ品番であっても二つとして同じ形状がない個性的な商品。
それは、まるで、着ける人の個性を惹き立て、「あるがままの自分でいいんだよ」と応援してくれているような気すらしてきます。
これほどまでに、企画から開発、生産まで作り手の想いが詰まった商品は、あまり多くはないと思います。
だからこそ、機械で量産される工業的な商品とは、一味も二味も違った魅力を感じさせてくれるのだと思います。
バロック(異形)真珠ブランドRAETが産まれた瞬間

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